umikaki diary

ガジェットから日常まで

「SIMロック原則禁止」にみるキャリアとスマホメーカーの関係

去る1月末、通信料金値下げで話題となっている携帯電話業界において、新たな動きが見られる報道が相次ぎました。総務省有識者会議において、通信キャリアから購入するスマートフォンで現在行われている「SIMロック」を「原則禁止」とする案をまとめた、ということです。

現在も、利用者が申し込めば、スマートフォン端末を一括で購入した場合や、分割で購入する場合でも一定の条件を満たせば、スマートフォンSIMロックを解除することが可能です。2019年に「通信と端末の分離」が行われてから、大手キャリアにおいては通信契約を伴わない端末購入が可能となりましたが、その際に、スマートフォンを一括購入した場合では、NTTドコモにおいては利用者の申し出にかかわらずSIMロックを解除した状態で、KDDISoftBankにおいては利用者の申し出があった場合に、手数料無料でSIMロックを解除することが可能になっています(詳細は下の記事をご覧ください)。

そもそも「SIMロック」とは何か

SIMロック」とは、スマートフォンを販売する通信キャリアのSIMカードのみを認識させ、他社のSIMカードを挿してもSIMカードを認識させず、他社のモバイルデータ通信を行わせないように制限することを言います。

それとは逆に、「IMEIロック」というものもありますが、こちらはSIMカード側に制限がかかっている状態で、IMEIロックがかかっているSIMカードを特定のスマートフォン以外に挿した場合にモバイルデータ通信不能にすることを言います。有名なものとしては、SoftBankAndroidSIMカードや、KDDIのデータ通信用SIMカードなどがあります。

SIMロック解除」とはSIMロックがかかって他社のSIMカードを認識できないスマートフォンを、他社のSIMカードでも通信可能にすることを言います。

なぜSIMロックを行うのか

SIMロックを行う理由として、キャリア側の主張としては、盗難や端末代金の踏み倒しが挙げられます。「通信と端末の分離」が行われる前は、通信契約(主にMNP)を行うことを条件に、スマートフォンの端末代金を「一括0円」とするということも当たり前に行われていました。これは、端末代金を値引きする見返りとして、長期間にわたって囲い込みを行い、その間に支払われる通信料金で端末代金の肩代わりを行うというものです。このとき問題になるのが、端末を0円で購入し早期に解約を行うことです。こうなると端末代金を通信料金から回収することができなくなり、通信キャリアにとっては大きな大きな問題になります。SIMロックをかけることにより、他社で一括0円で購入したスマートフォンを使用できなくすることで、キャリアとしてはこの問題を回避しようと考えていたわけです。

SIMロック禁止」で顧客の流動性は上がるのか

総務省としては、囲い込みの原因となっている「通信契約を伴う高額な端末代金の値引き(一括0円など)」「SIMロック」を禁止することで、顧客の囲い込みを禁止するということを行おうとしています。「通信契約を伴う高額な端末代金の値引き」については、「通信と端末の分離」の際に、「通信契約を伴う端末代金の割引は2万円まで」とすることで、高額な端末代金の値引きは禁止されることとなりました。「SIMロック」については、一括購入した場合については、利用者の求めに応じて、「原則無料で」SIMロック解除を行うこととしました。当初は自分が購入した端末のみのSIMロック解除という形でしたが、こちらも総務省の求めにより、他人が購入した端末(中古スマホ等)においても、SIMロック解除を行えるようになりました。

スマートフォンSIMロックがかかっていない、SIMフリーの状態になることで、原則どの通信キャリアのSIMカードを挿しても通信が可能になります。この恩恵を最大限受けることになるのが、日本で50%近くという圧倒的なシェアを持つiPhoneです。iPhoneは大手3キャリアからSIMロックがかかった状態で発売されていますが、iPhone本体は型番含め全く同じです。SIMロックを解除すれば、購入した通信キャリア以外のSIMカードを挿しても、他社で購入したのと全く同じ環境で通信が行えます。iPhoneを使用しているユーザであれば、SIMロックが禁止されることにより、他の通信キャリアでも現在使用しているiPhoneがそのまま使用でき、流動性は上がると考えられます。

一方、キャリアが販売しているAndroidスマートフォンはどうでしょうか。

例えば、Android端末で人気の高いXperia 5 IIは、ドコモ、KDDISoftBankからそれぞれ販売されています。しかし、端末の形こそは同じでも、型番はそれぞれSO-52A、SOG02、A002SOとなっており全く違います。ハードウェアも異なり、それぞれ対応している周波数帯が全く異なります。スマートフォンにインストールされているOSも、それぞれのキャリア専用となっており、SIMロックを解除したからといって、SIMフリー端末(メーカ直販モデル)と同じになるわけではありません。

Galaxyにおいては、販売される各キャリアによって対応する周波数帯が異なるだけでなく、Galaxyを現在販売していないSoftBankにおいては、VoLTE通話に対応していません。3Gの停波が迫る中、VoLTEに対応していないということは、3G停波後、通話が不能になり、電話機として使用できなくなります。

各キャリアが販売するAndroid端末は、スマートフォン自体が販売するキャリア専用モデルとなっており、SIMロックは解除できても、対応する周波数帯の違いから、原則として他のキャリアで使用することは不可能です。Android端末においては、そもそもSIMロックを禁止すること自体が無意味であり、SIMロックを禁止することで、さらにハードウェア側のカスタマイズを強化し、他社のVoLTE通話に一切対応しないというスマートフォンが出てくることが懸念されます。

なぜ通信キャリア専用モデルなのか

ここ最近、SIMフリーモデルとして発売してきた端末メーカが、キャリア独占モデルを発売し始めることが多くなりました。

例えば、先日発表されたXiaomiの「Redmi Note 9T」、Xiaomi初となるFeliCa対応モデルとなりましたが、SoftBank専用モデルとなりました。SoftBank独占となったことで、この「Redmi Note 9T」を他社で使用するには「SIMロックの解除」が必要になりますし、OSやハードウェア自体もSoftBank専用にカスタマイズされており、SIMロック解除をして他社のSIMカードを挿して使用しようとしても、何かと不便な状態になることが予想されます。

ここ最近力をつけてきたOPPOも、5Gモデルはそれぞれ違うモデルをKDDISoftBankモデルとして独占販売しています。

Galaxyに至っては通信キャリア専用モデル以外のスマートフォンを表向きに販売しておらず、日本で発売されているほぼ全てのモデルがキャリア専用のスマートフォンとなっています。

ではなぜAndroidスマートフォンメーカは、通信キャリア専用にわざわざカスタマイズし、専用モデルとしてキャリア独占販売させるのでしょうか。

1つ目に言えることは、「FeliCa」の存在です。

以前、HTCがHTC U12+をキャリアモデルとしてではなく、メーカ直販のSIMフリーモデルとして販売し、しかもFeliCaに対応しているということで話題になりました。そのときのHTC NIPPON 児島社長へのインタビュー記事(ITmedia)を見てみます。

上記記事の中で、「SIMフリーおサイフケータイに対応させる苦労」ということを話されています。この中で、メーカ直販モデルでFeliCaに対応させるには、メーカ側でフェリカネットワークスJR東日本という、FeliCaのハードウェアメーカと交渉する必要があることが書かれています。キャリア端末の場合は、FeliCaのハードウェア側についてはキャリアが肩代わりしてくれるということもあり、スマートフォンメーカとしても開発しやすいことが伺えます。

この部分については、FeliCaのデータ消去がそれぞれのキャリアで異なること、メーカ直販のSIMフリーモデルでは、メーカに直接依頼する必要があることからも想像できます。

今回、Xiaomiの端末がFeliCa対応にできたのも、SoftBankというキャリアの力を借りることによって対応できたと想像することができ、SoftBankの力を借りた以上、SoftBank専売とせざるを得なかったということが考えられます。

FeliCa対応以外にも、スマホメーカが直接顧客とやり取りせず、通信キャリアとの、いわゆるBtoBでやり取りするメリットもあります。BtoBでやり取りすることで、通信キャリアが比較的高額でスマートフォンをメーカから調達し、なおかつ売れ残りを少なくさせることも可能になると考えられます。メーカが直接顧客とやり取りすると、不安定な値動きや、売れ残りを抱えるリスクもあります。BtoBのやりとりでは、BtoCよりも売り上げを多くでき、安定してキャリアへの供給が可能になるということも考えられます。

さらには、スマートフォンを使う多くのユーザが「スマートフォンは通信キャリアから購入するもの」と捉えていることにより、端末メーカが直接スマートフォンを単体で販売しても売れないと考えていることも挙げられます。

SIMロック禁止」で顧客の流動性を高めるためには

今回の総務省の「SIMロック禁止」の議論は、いささか拙速であると感じられます。日本のスマートフォンシェアで約半数を占めるiPhoneでは、上記のような問題は発生しないため、そこまで大きな問題にはならないのだろうと思います。

しかし、Android端末がこのような問題を抱えている以上、SIMロックだけを禁止することは無意味なことです。SIMフリーが活発にならないのは、日本のスマートフォン市場の特殊性ということを言われていますが、SIMフリーとして販売しようとするスマートフォンメーカへの補助、特にFeliCa対応の問題は喫緊の課題でしょう。

総務省は、携帯キャリアだけに締め付けを強化するのではなく、スマートフォンを供給するメーカへの対応も行うことが必要です。

携帯キャリア大手の新料金プランが発表! 各キャリアの大容量プランを比較検討してみる

皆様、新年あけましておめでとうございます。

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、2021年がスタートしました。昨年は7年半続いた政権が変わり、「携帯電話料金値下げ」を肝いり政策とする菅義偉氏が内閣総理大臣に就任、そして新たに就任した武田良太総務大臣を筆頭に、高止まりが続いていた携帯電話料金について大きく変革を迫るなど、携帯電話業界にとっては大きな転換点を迎える年となりました。

東証一部上場のNTTドコモがNTT(持株)の完全子会社となり、社長も吉澤和弘氏から井伊基之氏に交代、そして昨年末には20GB/月使えて2980円(税抜)/月という、オンライン契約専用の「ahamo」という料金プランが出されたことを受け、業界がざわつくような状況となりました。

「ahamo」という今までの料金プランとは違う格安プランがドコモから出た後、各キャリアもこぞって新料金プランを発表。ドコモに続いてソフトバンクが「SoftBank on LINE」を、そして今日、KDDIが「povo」を発表したことによって、各携帯キャリアの格安プランが出そろいました。

また、既存からある20GBを超える大容量プランについても併せて改訂され、携帯電話料金は従来のプランに比べて値下がりする形となっています。

今回は、各キャリアから出された大容量プランに絞って、どのキャリアがいいのか、比較検討していきたいと思います。

結局は横並びになった月額料金

まずはじめに、各キャリアから出された(サブブランドを除く)料金プランについて、表にまとめましたのでご覧ください。

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各キャリア(サブブランド除く)の料金プラン

※記事執筆時点、価格は税抜です。

上記表を見て分かるとおり、各キャリアとも月額料金についてはほぼ変わらず、結局は横並びになった(ならざるを得なかった)形です。唯一、ドコモの5Gプランに関しては、他社よりも70円高くなっています。

料金ではなくデータ通信の条件で見ていく

各社横並びの料金になっているので、比較検討する際は月額料金ではなくデータ通信の提供条件で見ていくことが重要です。

上記表で赤太字にした部分が、今回比較検討していくところで重要なポイントになってきます。

まず、KDDI(au)、SoftBankの大容量プランですが、こちらは(KDDIはプラン名は違うものの)4G/5Gで同じ内容、同じ料金となっています。一方ドコモは4Gプランの方が5Gプランよりも100円安いものの、5Gは無制限なのに対して4Gは月間データ容量が60GBとなっています。

KDDIソフトバンクテザリングに容量制限あり

スマホWiFiルータとして使用できるテザリング機能ですが、こちらはドコモの5Gプランには容量に制限がないものの、KDDIソフトバンクは月間データ容量が30GBとなっています。

KDDIソフトバンクSIMカードを本体に挿し、本体から直接通信する場合は容量無制限となっていますが、テザリング機能を使った通信(テザリング子機の通信)は、1ヶ月に30GB以上通信すると速度制限がかかります。速度制限後、KDDIの場合は128kbpsとなりますが、ソフトバンクの場合は速度制限後の速度は本日(2021年1月13日)時点ではまだ公表されていません。

KDDIにはデータMAX 4G LTE / 5Gであった動画サイト速度制限が継続

KDDIが現行で出している「データMAX 4G LTE / 5G」というプランには、月間通信容量は無制限だが、動画サイトにアクセスすると通信速度が制限されるというものがあります。今回、新料金プランを発表するにあたり、この部分に何らかの変更が加えられるかと思っていましたが、この部分は変わらず、新料金プランであっても動画サイトへの通信速度制限は継続する形となりました。

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au公式サイトにも動画サイト速度制限の旨記載あり

今回の新料金プランで、速度制限後の通信速度がどれくらいになるのかは公表していないため分かりませんが、現行のデータMAX 5Gでは、制限後は下記のような通信速度となっているようです。

ちなみに私が現在契約しているデータMAX 4G LTEでは、動画サイトの速度は約3.7Mbpsとなっており、この速度ではFHDで動画を視聴することは困難です。

ドコモの新プランに速度制限はあるのか

NTTドコモが現在提供している「5Gギガホ」は、当初月間データ容量が100GBというプランでした。しかし、提供開始から期間未定のキャンペーンと題して、月間データ容量が無制限となっています。

ドコモの新プランが2021年4月1日から受付開始するのに合わせて、この5Gギガホは受け付け終了しますが、このキャンペーンに関しては継続するようです。

さて、ドコモのデータ容量無制限には例外があるのかという点ですが、現行の5Gギガホのキャンペーンにおいて、通常の使い方(スマホで通信する)であれば速度制限がかかるようなことはないようです。ただし、携帯電話回線の下に何台も端末を接続し、固定回線のように用いると速度制限がかかるようです。

5Gは大容量、低遅延、多接続が特徴とされていますが、5Gの整備がまだ道半ばという現状では、固定回線代わりに何台も端末を接続するというような使い方をするのは厳しそうです。

ドコモの新プランにおいては、下記のような注意書きが書かれており、上記のような速度制限は存在するものと思います。ただし、KDDIのような「動画サイトを閲覧したら一律速度制限」みたいなことはなさそうです。

ネットワークの混雑状況によって、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。なお、一定時間内または1接続で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、その通信が中断されることがあります。 

ソフトバンクの「時間帯速度制限」とは?

ソフトバンクの新プランには「時間帯により速度制御あり」との文言が記載されています。この「時間帯」がどんなものを指すのかは詳細が記載されていないため不明です。おそらく平日昼の時間帯(MVNOの通信速度が遅くなる時間帯)、夜間帯等で速度制限がかかるものと思いますが、どの時間にどの程度速度制限がかかるかは詳細が出ていないため分かりません。ソフトバンクの情報を待ちたいと思います。

速度制限の厳しさはバックボーンネットワークの貧弱さ次第?

さて、ここまで大手3社の通信速度制限について見てきました。ここからは勝手な考察ですが、なぜ通信キャリアが速度制限をかけるのかについては、表向きは「通信、電波を公平に使用するため」とされています。

しかし、公平に使用するために通信速度を制限される事態になるということは、使用している基地局や、さらにはバックボーンネットワークが貧弱であるということも言えるかと思います。

設備投資の少ないMVNOでは、平日昼の通信が集中する時間帯には輻輳が発生し、通信速度が大幅に低下する状態が毎日のように発生しています。これは、MVNOの設備と大手キャリアの設備の接続点の帯域が供給量に対して大幅に不足しているからですが、これを増やそうとするとコストがかかり、利益を得るためには格安SIMの料金を上げざるを得なくなってしまいます。

NTTドコモを含む大手キャリアは、基地局からインターネット通信する際に必要な光回線を、全国に莫大なネットワークを持つNTT東西から借りている状態となっています。当然ながら帯域を確保するためにはNTT東西に対して料金を支払う必要が出てきますが、ここで問題になってくるのはNTTドコモはNTTの完全子会社となっていることです。

昨年、NTTドコモがNTTの完全子会社を発表した際、ドコモ以外の通信事業者から総務大臣に対して「NTT持株によるNTTドコモ完全子会社化に係る意見申出書」を提出したと発表がありました。

KDDIソフトバンクといったキャリアは、NTTとは完全に別会社であることから、しかるべき内容の通信料金を払っているものと推測されています。一方、NTTドコモとNTT東西に関しては同じNTTグループであることから、光回線の供給にたいして優遇されているのではないかという内容です。 

現に、KDDIソフトバンクの料金プランは、通信容量こそ表向きは「無制限」と謳っていますが、実際はテザリングという大量通信に対しては月間30GBまで、そしてKDDIに関しては動画サイトの閲覧についても速度制限をかけていることから、通信設備が大容量通信に耐えきれない状態のために速度制限を設けていると捉えることも可能です。

一方、NTTドコモに関しては、超大容量通信に関しては速度制限を設けているものの、テザリングや動画サイト閲覧に関しては速度制限を設けていません。これは、NTTという超巨大なバックボーンネットワークを持つNTTグループに属しているからこそ実現できたという捉え方も可能です。

いずれにしろ、NTTドコモがNTT(持ち株)の完全子会社となったことにより、NTTの超巨大なバックボーンネットワークを、ほかの大手通信事業者よりも柔軟に活用できることになるのは変わらない現実だと考えています。

通信速度を気にせず使うのであれば「5Gギガホ プレミア」一択

各社横並びの料金や、上述した通信速度制限を考慮すると、KDDIソフトバンクよりも70円/月高くなるものの、NTTドコモの「5Gギガホ プレミア」がおすすめとなりそうです。

KDDIソフトバンクは5Gのエリア展開について、既存のLTE周波数を転用する形での構築も始めていますが、700MHzといった低い周波数に関しては、そもそも帯域が狭いため、超高速通信は実現できません。あくまで5Gで通信が可能になるというだけであって、「なんちゃって5G」と揶揄される事態になっています。

一方、NTTドコモに関しては、「瞬足5G」と題して、あくまで5G専用に割り当てられた3.7MHz、4.5MHz、28GHzというかなり高い周波数帯を用いて5Gエリアを構築しようとしています。これらの周波数帯は電波の直進性がかなり高く、ちょっとでも障害物があると電波を拾えなくなるというデメリットはあるものの、5Gの特徴である「超高速通信」を最大限活用できるメリットも存在します。

現在ドコモはSub6と呼ばれる3.7MHz、4.5MHz帯の電波の面展開を始めておりKDDIソフトバンクよりも展開速度は劣るものの、基地局の台数を増やすことによって、高い周波数帯でも確実に構築を進めています。

このことからも、通信速度を最大限活用し、なおかつ速度制限の条件が一番緩いNTTドコモの新プラン「5Gギガホ プレミア」がおすすめと言えそうです。

通信キャリアに言いたいこと

今回、大容量プランを比較検討するにあたって一番気になったのは、各キャリアとも速度制限の条件や制限後の速度について曖昧な記載が目立つことでした。

各キャリアとも大容量プランが月間通信容量無制限となるなか、「どれだけ通信したら速度制限がかかり、制限後はどれほどの速度になるのか」についての具体的な言及がありませんでした。

利用するユーザの視点からすれば、具体的な制限について記載頂いた方が、「これ以上通信したら速度制限がかかるので控えめにしよう」という意識が生まれると思うのですが、その記載がない以上、「どれだけ通信したら速度制限がかかるのか分からない」、「普通に使っていると思ったら突然通信速度が遅くなった」、「無制限と書いてあるのになぜ速度制限するのか」という声も出てくると思います(というか、すでに出ています)。

また、「通信容量無制限」と謳いながら速度制限をかけることは、景品表示法優良誤認に当たる恐れがあります。過去に、UQコミュニケーションズ社が提供するUQ WiMAXにおいて、「通信容量無制限」と謳いながら速度制限をかけたことによって、景品表示法の優良誤認に当たるとして、UQコミュニケーションズ社に対して賠償命令が出されたこともありました。

利用者としては、契約する際に必ず注意事項に目を通すこと、分からないこと、曖昧な説明をされた際には必ず聞き返すことを徹底することが必要です。

現在、総務省消費者庁と連携して、キャリア代理店でスマートフォンを購入する際にかかってくる頭金について注意喚起を行っていますが、こういう「通信速度制限の曖昧な説明」に対しても指導を行ってもらいたいと思います。

キャリアに対しては「具体的な通信速度制限の条件を提示」すること、できなければ「どれくらいで通信速度の制限がかかるのかを詳しく提示」することを求めていきたいと思います。

「SIMフリースマートフォン」とは何か

ネットの様々なニュース媒体やブログを見ていると、「SIMフリースマートフォン」について誤解をまねかねないような表現をしているサイトを見かけます。

以下のような表現です。

SIMフリースマホとは、ドコモやauソフトバンク楽天などの“キャリア”と呼ばれる通信事業者が提供する端末に対し、より安い価格で運用できるスマホを指します。

結局のところ「SIMフリースマホ」とは?格安スマホの賢い契約方法とプランの選び方|@DIME アットダイム

SIMフリースマホとは、NTTドコモソフトバンクKDDIau)などの大手通信事業者よりも安い通信料で利用できるスマホを指します。

SIMフリースマホとは?格安SIM、格安スマホの違いは?|AQUOS:シャープ

上記の表現は、いわゆる「格安スマホ」、「格安SIM」と呼ばれる「仮想移動体通信事業者MVNO)」と、MVNOで販売されているスマートフォンをごちゃまぜにしており、誤解を与えかねないような表現です。

SIMフリースマートフォンとは何か

SIMフリースマートフォン」とは、文字通りSIMロックがかかっていないスマートフォンのことを指します。

SIMロック」とは、特定の通信会社でしか動作しないようにロックをかけることで、NTTドコモKDDIソフトバンクといった大手通信キャリアが販売するスマートフォンには、このSIMロックがかかった状態となっており、例えば、ドコモが販売するスマートフォンKDDIのSIMを入れて通信させようとしても、SIMロックがかかっていると通信や通話ができません。

SIMフリースマートフォン*1」は、通信キャリアに縛られず、原則どの通信キャリアのSIMを入れても通信することが可能です。「原則」と書いたのは、稀にスマートフォンの対応周波数と通信キャリアの対応周波数が合わず、SIMフリースマートフォンでも通信できない場合があるからです。これについては後述します。

「広義の」SIMフリースマートフォンと「狭義の」SIMフリースマートフォン

SIMフリースマートフォン」という言い方をした場合、2種類のスマートフォンを指す場合があります。

通信キャリアが発売するスマートフォンで、SIMロックがかかっていないスマートフォン

通信キャリアが発売するスマートフォンには、SIMロックがかかっていないスマートフォンが存在する場合があります。ここで言う「通信キャリア」とは、ドコモ、auソフトバンクといった大手通信キャリアを指すのではなく、「UQ mobile」、「ワイモバイル」といった、いわゆるサブブランドや、「楽天モバイル」といった大手通信キャリアではない通信キャリアやMVNOなどです。

UQ mobileが発売するスマートフォンには、原則としてSIMロックがかかっておらず、SIMフリーの状態で発売されています。ただし、UQ mobileで発売されているスマートフォンは、原則UQ mobileが使用する電波(KDDIの電波)の周波数のみ対応しており、ドコモやソフトバンクSIMカードを挿して通信できるものの、通信エリアが極端に狭くなったり、高音質通話であるVoLTEが使えないという問題があります。

また、その通信キャリア特有のアプリがプリインストールされていたり、スマートフォン起動時に通信キャリアのロゴが出る、電話アプリや設定アプリが通信キャリアの設定にカスタマイズされていることが多いです。

さらに、大手通信キャリアで購入したスマートフォンを「SIMロック解除」したスマートフォンも存在します。この場合は、SIMロックがかかっていないため、どの通信キャリアのSIMを挿しても通信は事実上可能となります。ただし、前述したキャリアが販売するSIMフリースマートフォンと同様、特定の通信キャリアの周波数のみに対応している場合が多いので、通信エリアが狭くなったり、キャリア特有のアプリがプリインストールされていたり(アンインストールすらできないアプリもあります)と、通信キャリア特有の設定にカスタマイズされているため、「SIMフリー」とはなかなか言えないのではないかと考えます。

「広義のSIMフリースマートフォン」という場合は、このスマートフォンを指します。

スマートフォンメーカーが直接販売するスマートフォン

SIMフリースマートフォン」という場合は、こちらのスマートフォンを指す場合が多いです。

キャリアが発売するスマートフォンとは違い、家電量販店やメーカー直営店等で購入するスマートフォンです。また、MVNOが「再販」という形で発売している場合もあります。

これらのスマートフォンは、通信キャリアのカスタマイズが一切入っていないというのが最大の特徴で、メーカーのカスタマイズのみなされている形となります。

なので、起動時はメーカーのロゴのみが表示される、通信キャリア特有のプリインストールアプリは一切入っていない、通信キャリア特有の設定もされておらず、日本で発売されているスマートフォンは、原則として日本のすべての通信キャリアで通信、通話ができるようになっています。

さて、冒頭に引用した「SIMフリースマホは格安で運用できる」という表現、これは、

  1. スマートフォンメーカーが直接販売するスマートフォン」が「格安SIM」と呼ばれるMVNOで再販されていること
  2. 従来のような「スマートフォンの購入と通信契約を同時に結ぶ」ことを多くのユーザーがしていること
  3. このSIMフリースマートフォンの購入と通信契約を同時に結べるのはMVNOのみであること

この3つから来た表現であると考えられます。

ここまでSIMフリースマートフォンについて書いてきましたが、「スマートフォンメーカーが直接販売するスマートフォン」をMVNOではなく「ドコモ、auソフトバンクといった大手通信キャリアのSIMを挿して使う」ことは何ら問題なくできますし、その逆で「大手通信キャリアが発売しているSIMフリースマートフォン」を、「MVNOのSIMを挿して使う」ことも可能です。

SIMフリー」とはSIMロックがかかっているかどうかのことを指すのであって、「格安スマホとしてしか使えない」わけではないのです。

なぜSIMフリースマートフォンなのか

私は現在、SHARPが発売した「SH-M09」というSIMフリースマートフォンを、auSIMカードを挿して使用しています。

(狭義の)SIMフリースマートフォンは、海外メーカー(主に中国)が発売するスマートフォンが多く、NTTドコモKDDIソフトバンクが使用するすべての周波数には対応していないことが多く、3キャリアの主要な周波数(LTEであればBand1,3,8,18,19,26,41)のみ対応している場合が多いです(他、他国で使用する主要な周波数にも対応しています)。これは、通信できるものの、高速通信がしにくいというデメリットもあります。このことについては、本ブログで詳しく記載していますので、下記記事をご覧ください。

ただ、私が使用しているSH-M09については、KDDIソフトバンクの周波数についてはLTEに関してはすべて対応している数少ないスマートフォンです。

さて、大手通信キャリアの通信をSIMフリースマートフォンで行っている人は少なくないと思います。この最大の理由は、キャリアのプリインストールアプリやカスタマイズが一切入っていないこと。これに尽きると思います。

ドコモが発売するスマートフォンを何回か使用したことがありますが、ドコモのカスタマイズがいたる所に入っており、スマートフォン自体はいいものの、正直「使いたい」とは思えないレベルでした。これについては下記記事をご覧いただければ分かるかと思います。

ただ、キャリアが発売するスマートフォンでもメリットはあります。

通信がそのキャリアに最適化されているため、通信速度がSIMフリースマートフォンに比べて速いというメリットです。このことについては、5Gが始まった今顕著に現れており、ドコモが発売する5G対応のスマートフォンでドコモの5Gを通信させた場合、実測でも1Gbpsを超える速度が出る形です。

メーカーが直販するSIMフリースマートフォンは、通信キャリアの周波数に最適化されていないことが多いため、5G対応であってもここまでの速度はなかなか出ないのではないかと考えられます。

SIMフリースマートフォンの今後

電気通信事業法の改正や総務省ガイドライン改定により、今までキャリアでスマートフォンを買うとついてきた「月々サポート」ができなくなり、キャリアでスマートフォンを購入するのと、スマートフォンだけ別に購入するのとでは値段の差異がなくなりました。

これを受けて、今までキャリアのみに端末を供給してきたSONYが、XperiaSIMフリースマートフォンとして、メーカー直販として販売を開始することになりました。スマートフォンメーカー直営店があるSONYだからこそできた、SIMフリースマートフォンの直販ですが、実は日本にはもう1つ、スマートフォンメーカー直営店があります。

言うまでもなくSAMSUNGのGalaxyですが、こちらは一向にメーカー直販のSIMフリースマートフォンが出てくる気配がありません。

実はGalaxyの「メーカー直販のSIMフリースマートフォン」はないことはないのです。数量限定としてこの2台を出しています。

最初の「Galaxy Z Flip Thom Browne Edition」は約27万円、次の「Galaxy Z Fold2 Thom Browne Edition」はなんと約41万円という、一般的な人は手を出せないような価格です。どちらも数量限定となっており、今までこれらのスマホを使っている人は見たこともありません。

広義のSIMフリースマートフォンという意味で行くと、GalaxyにもSIMフリーモデルは存在します。UQ mobileJ:COMモバイルで発売されているGalaxy Aシリーズ、そして楽天モバイルで発売されているGalaxy S10、Note 10+、A7です。ただ、これらには通信キャリアのカスタマイズが入っており、日本で発売されているGalaxyは、ソフトバンクから発売されたGalaxy S6 edge、Galaxy Tab 4を除いてすべてソフトバンクのVoLTE、プラチナバンドと呼ばれるBand8には対応していません。

ここまで頑なに直販のSIMフリースマートフォンSAMSUNG JAPANが発売しないのには理由があるのでしょう。ただ、我々一般の人が知る由もないのが現状です。

多くの人は普通のGalaxyがSIMフリーとして出ているのを心待ちにしています。

XperiaSIMフリーとして直販された今、総務省ガイドラインで月々サポートが禁止された今、GalaxyもSシリーズがSIMフリーとして直販されることを心待ちにしたいと思います。

*1:SIMロックフリースマートフォン」という言い方をする場合もあります。個人的にはあまり好きではない言い方です。

Band42に対応したSIMフリーAndroidスマートフォンを探してみる

第5世代移動通信システム(5G)がスタートしてもうすぐ3ヶ月となります。

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるう中、小規模スタートとなってしまった5Gですが、5Gの周波数特性もあってか、まだまだ使えるエリアは限定的となっています。

5Gに頼らずとも、4G(LTE-Advanced、LTE-Advanced Pro)の技術を使えば、高速通信を使うことができます。ブログ執筆時点での各キャリアの4Gの最高速度は次のとおりです。

NTT DOCOMO 下り1.7Gbps

出典:PREMIUM 4G / 通信・エリア / NTTドコモ

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PREMIUM 4G

au 下り1.2Gbps

出典:キャリアアグリゲーションで超高速通信 / 4G LTE_WiMAX 2+ / au

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キャリアアグリゲーションで超高速通信

SoftBank 下り:0.99Gbps

出典:キャリアアグリゲーション(FDD×TDD) / スマートフォン・携帯電話 / ソフトバンク

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キャリアアグリゲーション(FDD×TDD)

上の図は、各キャリア(楽天モバイルを除く)のキャリアアグリゲーションの説明図となります。SoftBankだけ周波数帯が記載されていませんが、AXGP(Band41)とBand42を組み合わせることで、上記速度を実現しています。

さて、上記図を見ていただければ、自ずと共通ポイントが見えてくると思います。

どのキャリアも高速通信にBand42を使用しているということです。

Band42を受信できる端末は?

高速通信に必要なBand42、3.5GHz帯(3.4GHz帯ともいう)ですが、実はSIMフリー端末で対応しているものが少ないのが現状です。

以前、このような記事を書いたことがありました。

2つ目の記事で「唯一」と書いたとおり、端末メーカーが直接発売しているSIMフリーAndroid端末で、Band42を掴む端末は非常に少ないのです。

過去1年(2019年1月〜)で発売されたSIMフリーAndroid端末(キャリア専売端末を除く)の日本のキャリアでの対応周波数帯を下記表にまとめてみました。

※キャリア欄:d…NTT DOCOMO a…au s…SoftBank r…Rakuten Mobile

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SIMフリー端末の対応周波数帯(端末一覧は価格.comより)

表を見てもおわかりの通り、SIMフリー端末の大半はキャリアの主要な周波数のみ対応となっており、Band42はおろか、Band11、Band21という1.5GHz帯も非対応となっています。SIMフリー端末でトップシェアを誇るHuaweiも上記3バンドは非対応です。

さて、上記表から、キャリアを通さずに購入できるSIMフリー端末で、Band42に対応しているのはAQUOS R2 compact」、「AQUOS zero2」、「Pixel 4 / 4 XLの4機種のみです。

高速通信を行う上で重要なBand42に対応しているSIMフリー端末が、ここまで数が少ないのは、なにか理由があるのでしょうか。キャリア端末でしかBand42に対応していないというのは、ちょっと悲しい気持ちになってしまうのは私だけでしょうか。

その中でも、キャリアの周波数帯にほぼ全て対応しているSHARPGoogleはすごいと思います。他のメーカーも、ぜひここはBand42に対応する端末を出してほしいと思います。

 

2020/6/16 追記

SIMフリー端末の対応周波数帯一覧表に、OPPO Reno3 AGalaxy Z Flip Thom Browne Editionを追加しました。

Galaxy S10 SCV41をau回線契約なしで購入してきた

ハイエンドスマホでおなじみのGalaxy Sシリーズ。Galaxyはドコモ、auでしか基本は出していない(キャリアを通してでしか販売されておらず、Samsungが直接販売はしていない)ため、ドコモ、au回線を持っていない人がGalaxyを使いたいと思ったときは、そもそも購入を諦めるか、キャリアで出ているモデルを中古スマホショップで中古品として購入するしかありませんでした。一昔前までは中古品と言っても一度も開封していない未使用品(いわゆる新古品)が数多く出回っており、中古スマホショップに行けば未使用品が手に入りやすい状況でした。

しかし、昨年10月1日に改正された電気通信事業法により、通信契約とセットでスマートフォン端末を販売するときは、20,000円(税抜)を超える割引を行ってはならないと定められたため、もともと高価なハイエンドスマホは軒並み値段が高騰。「MNPで一括0円」といった販売手法も禁止されたため、端末購入で利益を求める人らが、転売目的で行っていたことができなくなり、街の中古スマホショップからはハイエンドモデルの未使用品は姿を消し、1度使われた中古品がチラホラと並ぶだけになってしまいました。

今回、Galaxy S10を購入するにあたり、いつものように中古スマホショップで購入するかと思いましたが、上記の通り、Galaxy S10の未使用品はどの中古スマホショップにもありません。中古品であればわずかながら存在していましたが、メイン端末で使っていくにあたり、バッテリー劣化が懸念される中古品はどうしても避けたかったのです。

そこで、今回は(公にはあまりアナウンスされていない)auショップで最近できるようになった「回線契約せずにスマートフォンだけ購入する」という手法で、Galaxy S10の新品を手にすることにしました。

ドコモ回線からau回線へ

昨年12月まではIIJmioのドコモ回線をメインとして使っていましたが、ここ最近のIIJmioがあまりにも遅かったこと、ドコモよりもauの方がエリアが広い(?)というイメージがここ最近湧いてきたのでメイン回線をau回線にしたかったこと、そしてIIJmioで電話番号を変えずにドコモ回線からau回線に切り替えることは不可能だったので、それならばということでメイン回線をサブブランドであるUQ mobileに変えました。au回線をフル活用するのであればau端末を使ったほうがいいよねということで、auのGalaxy S10であるSCV41を購入することに至ったわけです(SCV41の下り最高速度(理論値)は1Gbps)。

SIMフリーのGalaxy

ちょうどその頃、MNO事業を開始した楽天モバイルからもGalaxy S10が発売されました。こちらは楽天モバイルのカスタマイズが入っているものの、ほぼ(キャリアのカスタマイズがなされていない)素の状態となっており、しかもキャリアの端末であればかかっているSIMロックがかかっていません。また、楽天市場から端末単体で購入できることもあり、当初は有力な候補となっていました。

しかし、発売開始後実機や実際に購入した人のレビューを見てみると、色々と問題点があることが判明しました。

1. キャリアアグリゲーションが無効化されている

上記記事を見て頂ければ分かりますが、楽天モバイル版のGalaxy S10(Note 10+含む)はキャリアアグリゲーションが使用できないようにカスタマイズされており、通信速度は最大でも下り400Mbpsとなっています。

キャリアアグリゲーションは複数の電波を束ねて使用することで通信速度を高速化する技術で、これが無効化されているということは高速通信ができないということになります。SCV41の下り最大1Gbpsに比べても半分以下の通信速度となってしまっています。10万近くする端末ですので、そもそもの対応通信速度が遅いというのは、どうしてもいただけません。

2. Galaxy S10に入っている標準のフォントがNoto Sans

これはちょっと衝撃的でしたが、普通の日本版のGalaxyであれば「イワタUDゴシック」にカスタマイズされている画面のフォントが、Android標準の「Noto Sans」になっていました。

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楽天版Galaxy S10の画面

Android標準のNoto Sansは日本語太字フォントが搭載されておらず、太字の部分は不自然な感じ(重ね打ち)になり、あまり美しくありません。その代わり日本版Galaxyに搭載されているイワタUDゴシックは太字もしっかり搭載されており、太字部分はしっかりと太字フォントで表示されます。そして不思議なのが、同じ楽天モバイル版でもGalaxy Note 10+はイワタUDゴシックが搭載されているという点です。

以上の2点が大きな問題点ですが、その他にも、SCV41よりも楽天版の方が1万円近く高いというのもありました。なので、今回は楽天版を購入せずにSCV41を購入することに至ったわけです。

いざauショップ

今回は端末のみ購入というイレギュラーな購入方法となるだけでなく、購入と同時にSIMロック解除も行う関係で、au直営店で購入することにしました。回線契約を伴わない端末購入でのSIMロック解除は、au直営店でしか行っていません(下記リンク参照)。

今回向かったのはau UENO。昨年(2019年)11月29日にオープンした比較的新しい店舗です。直営店と謳っていますが、実際の運営はKDDIの子会社である「KDDIプリシード株式会社」が行っています(最近できた直営店の中には、KDDIとの資本関係がない会社が運営している店舗もあり、直営店とはいえ代理店のような形になっている店舗もあります)。

予約なしで行きましたが、比較的空いており、「回線契約せずに端末だけ購入したいです」と受付に伝えると、すぐにカウンターに通してもらいました。

1. まずは機種代金の支払い

お目当ての機種と色を決めたら、傷等ないか確認し、すぐに機種代金を支払います。通常ですと料金プラン云々ということになりますが、回線契約をしないので、料金プランを決めることはありません。今回は現金一括払いで、SCV41の機種代金90,720円(税込)を支払います。なお、当初は分割払いもできていたようですが、スタッフの方によると、現在は現金一括払いかクレジットの分割払い(金利あり)のみになっているようです。

支払い後渡された領収書はこちら。

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SCV41購入の領収書

領収書の額面が50,000円を超えているため、印紙税がかかり収入印紙が貼られています。

また、auを契約するときなどによく見る申込書も渡され、サインを求められました。

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端末増設申込書

2. SIMロック解除手続きへ

次に、SIMロック解除手続きを行います。やはりスタッフの方も初めてなようで、何度も店舗用のサポートデスクに電話し、やり方を確認していました。

SIMロック解除の申込み用紙を渡され、氏名等を記入します(私が記入するんかと思いきや、私の氏名含めスタッフの方が記入していました)。同時に身分証明書の提示を求められます。なお、端末購入だけであれば身分証明書の提示は求められませんでした。

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au回線契約なし SIMロック解除登録申込書

なお、通常自分が契約していない中古品を、店舗持ち込みでSIMロック解除する場合は手数料として3,000円+税が請求されますが、端末単体購入と同時に対応店舗で行う場合は手数料はかかりません。

3. 手続き終了後、最短30分ほどでSIMロック解除が可能に

上記手続き終了後、最短30分ほどでSIMロック解除ができるようになります。当初は翌日にならないと解除できないということを言われていましたが、思ったほど早く解除できる印象でした。

SIMロック解除は通常のやり方と同一です。他キャリアのSIMを端末に挿し、WiFiに接続した状態で設定画面の「SIMカードの状態」から「SIMカードの状態を更新」を押せば、ロック解除の設定ファイルがダウンロードされ、端末が再起動しSIMロックが解除されます。

最初WiFiではなくBluetoothテザリングで上記作業を行おうとしましたが、「SIMカードの状態を更新」するときにWiFiに接続されているかをチェックしているようで、「WiFiに接続してください」というエラーが出ました。

端末補償サービスには加入できない

スマートフォンを購入した際に大半の方が入る端末補償サービスですが、これはau回線を契約している人向けのサービスとなっているため、端末のみ購入し、回線契約をしていない場合は加入することはできません。そのため、通常のメーカー保証が1年間、自責による故障については実費を支払うことになります。

一連の手続きを終えて

受付から一連の手続きが終わるまで1時間ちょっとだったでしょうか。やはり直営店ということもありスタッフの方の応対は素晴らしかったです。ですが、やはりイレギュラーな作業ということもあってか手順があまり浸透しておらず、スタッフの方もかなり手探り状態でした。

総務省が進める通信と端末の分離によって可能になった端末単体購入ですが、キャリアでしか発売されていないGalaxy、Xperiaといった端末を回線契約せずに購入できるようになったことはとてもいいことだと思います。

あとは、SAMSUNGSONYがキャリアを通さずに、ハイエンドスマートフォンをショップで販売できるようになることを願うばかりです。両社もせっかく自社の専門ショップを持っているのですから…。

参考文献

通信料金と端末代金の分離と端末購入プログラムについて - 令和元年9月20日 総務省 [PDF]

電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン(令和元年9月策定)- 総務省 [PDF]

Androidの醍醐味とは ~メーカによって異なるUI~

日本のスマホ市場は、世界から見てもかなり特異な市場となっています。

MM総研が2019年5月に発表した「国内携帯電話端末出荷概況」によると、iPhoneの出荷率(シェア)が44%と、約半数がiPhoneで占めています(詳しい数値は下記リンク参照)。

それでは、iPhoneにはないAndroidの醍醐味とは何があるでしょうか。これは、下記の一言につきると思います。

カスタマイズによって無限の可能性が広がる

iPhoneに搭載されているiOSと違い、Androidオープンソースソフトウェアです。ソースコードが公開されており、誰もが自由に、無料で使用することができます。ソースコードが公開されていないiOSとは違い、Androidそのものを改造(カスタマイズ)して使用することもできます。そのため、Androidとは言っても、色々なカスタマイズをされたAndroidがそれぞれ存在する訳です。

iOSにも、非公式にOSを改造する手法がありました。Jailbreak(脱獄)というものです。iOSAppleの手によって開発されており、なおかつカスタマイズ性が乏しいというものがあります。これを少しでもカスタマイズしようと編み出されたのがJailbreakです。Jailbreakは当然Appleによって認められている訳ではなく、iOS脆弱性を突いて行うため、動作が不安定というデメリットもあります。

最初に述べた通り、Androidオープンソースソフトウェアのため、自分で好きなようにカスタマイズすることができます。各メーカの端末に搭載されているAndroid端末には、各メーカのカスタマイズが施されています。

各メーカのカスタマイズを見ていると、AOSPと呼ばれるベースとなるAndroidのUIをほとんどカスタマイズしていないものもあれば、SamsungのOneUI、HuaweiのEMUI、OppoのColorOSに代表される、AOSPとは一見かけ離れたカスタマイズをしているメーカもあります。もちろん、知識があれば自分の手でAndroidをカスタマイズすることも可能です。「カスタムROM」と呼ばれる有志らの手でカスタマイズされたAndroidもあります。以前本ブログで紹介したものは「LineageOS」と呼ばれるカスタムROMの一種です。

カスタムUIと素のAndroid UI

最近は、AOSP(素のAndroid)のUIをそのまま使用しているメーカが多くなってきている印象です。カスタマイズが増えれば増えるほど、アップデートを提供するのが難しい(AOSPに合わせるのが難しい)という理由だからかと思います。ユーザの中にも、カスタムUIよりもAOSPの方が好きという人も多くいます。ただ、私個人の意見としては、カスタマイズ性の高いAndroidだからこそ、メーカによって異なるUIを比較するのが楽しいですし、どういう風にカスタマイズされているのかを研究する醍醐味があります。

最近は素のAndroidに近づきつつある傾向がありますが、今後もメーカのカスタムUIがどんどん進化していってほしいと思います。それだけでなく、ほとんどがAOSPのUIになっているカスタムROMについても、独自UIを採用したものが出てきてくれればと思っています。

自宅のVPNサーバをSoftEtherVPNからOpenVPNに切り替えたお話

前々回のブログでSoftEtherVPNを構築した記事を書きました。

構築してしばらくは快適に使えていましたが、ここ最近VPN経由のダウンロードが遅く、0.02Mbpsまで低下してしまいました。

VPNの再構築、OSの入れ替え等々試しましたが改善しなかったため、SoftEtherVPNを使うのは諦め、OpenVPNを構築することにしました。

OpenVPNのサーバOS

LinuxのサーバOSについてはかなり意見が分かれるところだと思います。グローバルのデファクトスタンダードUbuntuみたいですが、日本はCentOSがシェアNo.1だそうです。私個人的にはデスクトップOSはUbuntu系、サーバOSはCentOSかなと思っています。以前UbuntuKVMを導入して動かしたところ不安定だったことがあったので、それ以来CentOSを使っています。

今回OpenVPNを構築するサーバもCentOSを使用しています。

OpenVPNのインストール

下記記事を参考に構築していきます。

構築したあとは、HGWのポート開放とパケットフィルタリングの設定で、UDP1194とTCP443を開けておきます。

なお、上記サイトの設定をしただけだとVPN経由でインターネットにつながらなかったため、下記サイトにある「iptables -t nat -A POSTROUTING -s 10.8.0.0/24 -o eth0 -j MASQUERADE」と「net.ipv4.ip_forward=1」の設定も行います。

SoftEtherVPNからOpenVPNに変えてみて

VPN接続してないときと比べると若干速度は落ちるものの、それでも20Mbps以上は安定して出るようになりました。とりあえずこれで外出先からも自宅のサーバやPCにリモート接続ができるようになり一安心です。